著作権の21世紀対応 デジタルデータ無料化の波とレーベルの生き残る道

日本では、インターネット時代に逆行するアンシャンレジューム(三木谷浩史氏)が、なりふり構わず官僚どもを動員するという得意技で、政治家や第一秘書どころではない利権むき出しの姿勢を示している。

それを打ち消すような、非常にショックを受けたTechCrunchの記事。

レコード会社は、録音された音楽がストリーミングやダウンロードを通じて無料になっていくことを完全に理解している

TechCrunchのMichael Arringtonが、大手レコード会社の重役とランチをともにして、とんでもない話を聞いている。

なんであなた方はそんなにむちゃくちゃ無知なんですか?と尋ねた。音楽産業は今目の前で崩壊しつつあるじゃないですか。なのにあなた方が追っているのは短期的な金銭的利害だけでしょう(訴訟や、ベンチャー資金に支えられた音楽スタートアップからの、マフィアみたいなピンハネ稼業)。そのために、あなた方が払うことになる長期的な費用はものすごいものになりますよ。今の世代も、そしてたぶん次の世代も、音楽好きな若者たちは平気で音楽を盗みます。今のオンラインのストリーミングは無料のサイトが多いから、音楽をダウンロードしたり共有化することが犯罪だなんて誰も思いませんね。

これに対する、大手レコード会社の重役の答が凄い。

  • そんなことは、すべて織り込み済み
  • レコード会社は、録音された音楽が無料になっていくことを完全に理解している
  • CDは、いずれ間違いなく売り上げゼロになるだろう
  • これからは録音された音楽が、マーケティングの素材や契機にすぎないことも理解している

つまり、レーベルは無知でなかったし、インターネットの時代を受け入れる準備もできているということである。

2013年ごろまでに(早ければ2011には)、レコード会社は、インターネットと個人対個人のファイル共有化が作り出した現実にやっと対応してビジネスモデルの再編成を行い、そしてそれに成功する。そうなるとレコード会社の収益は、録音原盤の(CD等への)コピーの売り上げに限定されない。そのころになるとすべてのアーチストが音楽に関する‘360契約’を結び、レコード会社は、アーチストのすべての収益源…ファンサイト、コンサート、さまざまな商品、広告出演、などなど…からマージンを得ることになる。

こんな話は、日本のJASRACやavexから語られることはあるのだろうか?

どんな業界でも、完全にダメになるまで古い収益源にしがみつくと、より革新的なビジネスモデルを持った新勢力に市場を奪われてしまうことが多い。しかし、イノベーターのジレンマは音楽産業には必ずしも当てはまらない。大手レコード会社は優秀なタレントを確保しており、またこれからの新人たちが、あえてその傘下に加わらないということは考えられない。

…ということは、われわれ音楽の消費者にとっては、向こう数年間はほとんど何も変わらないってことだね。でも2010年代になると、音楽の流通と消費の形に本当のルネッサンスが訪れるのだろう。そして、ひょっとすると、そのころになれば、みんながレコード会社を許しちゃうかな?

«
»
 

コメントを書き込む